日本人の根底にある強い「奉仕・奉公精神」
この、「奉仕・奉公精神」は、起業や産業の発展、特に防災分野の進化を妨げている。
生産性と非生産性の二軸で分断された社会において、防災分野は費用対効果が見込めず、大災害時には甚大な経済損失をもたらすため、民間企業が容易に参入できない構造にある。
その結果、国の補助金や寄付に依存せざるを得ない構図が固定化されている。
この日本の構造に違和感を覚える者こそが起業家の資質を持つ一方で、疑問すら抱かない者は現状のループから抜け出せない。
◆負の連鎖を生む構造◆
奉仕奉公精神の美徳化
対価を求めない精神が当然視され、災害時のボランティア活動に対しても政府や自治体は対価的報酬を与えない構造ができあがっている。
当事者たちの受容
ボランティア側も「無報酬で当然」と受け入れてしまい、行政側もそれ以上の仕組み作りに動かない。
社会的評価の欠如
海外ではボランティア活動が社会的地位の向上につながり、企業の有給扱いや評価制度に組み込まれているが、日本では企業がそのような評価を行う事例をほとんど聞かない。
冷遇される現実
無報酬での善意に依存し続ける一方で、活動する人に対しては「定職に就いていないのでは」という冷ややかな視線が向けられ、ボランティアの社会受容は後進国以下の水準にとどまっている。
◆変革への提言◆
災害大国であるにもかかわらず、お上の動き出しを待つ「大人の事情」に縛られ、民間団体があの手この手で足掻いても、活動人口は増えず評価もされない。
大人が本気で動くのであれば、適切な評価と対価が不可欠である。
いつまでも無報酬の善意だけに頼り続けることは不可能であり、意識のアップデートが急務である。
リンク:国連ボランティア計画(UNV)
誰も数えていない、世界最大の“労働力”
30 March 2026
トイリー・クルバノフ 国連ボランティア計画(UNV)事務局長