4月以降、日本各地で地震が相次ぎました。
まずは、この期間に起きた主な地震を振り返ってみます。
4月20日 16時53分頃
三陸沖を震源とするマグニチュード7.7、震度5強の地震が発生。青森県階上町で観測。
5月15日 20時22分頃
宮城県沖を震源とするマグニチュード6.4、震度5弱の地震が発生。宮城県登米市、大崎市、石巻市で観測。
6月16日 19時46分頃
茨城県南部を震源とするマグニチュード5.5の地震で、群馬県と埼玉県で最大震度5弱を観測。
6月25日 7時30分頃
岩手県沖を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生。青森県階上町で震度6強、八戸市で6弱という強い揺れとなり、青森・岩手両県で十数人が負傷、建物被害も確認。
6月26日 22時29分頃
山梨県東部・富士五湖を震源とする地震。最大震度6弱を観測。
その他
長野県中部、新潟県上中越沖、宮城県沖、福島県会津、宮古島沖など、震度3以上の揺れを各地で観測。
こうして並べてみると、震源地が東北から関東、中部、南西諸島まで広い範囲に散らばっていることが分かります。特定の地域に偏らず、全国どこでも起こりうるということが、改めて示された3か月でした。
では、なぜこれほど地震が続くのでしょうか。その要因を、専門的な知見をもとに整理してみました。
1.プレートがひしめき合う日本列島
根本にあるのは、日本列島の地理的な条件です。日本は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートという4つのプレート(岩盤)がぶつかり合う、世界でも極めて特殊な場所に位置しています。世界で起きるマグニチュード6以上の地震の約20%が日本で発生していると言われています。
詳しくお話します。
日本の国土面積(約37万7,975.64 km²)は、地球上の全面積(約1億3,009万4,010 km²)のわずか0.29%ほどしかありません。世界全体でマグニチュード6以上の地震が年におよそ130〜150回程度、日本およびその周辺では、マグニチュード6以上の地震が1年間におよそ26回発生しています(USGSなどの統計に基づく、年による変動あり)
また、日本で起きるM6以上の回数は世界140回の約20%という統計がでています。ですので、
140回 × 20% = 日本で年間に起きるマグニチュード6以上の地震発生回数は、約28回となります。
これを計算すると。
2週間に1回程度のペースで起きている計算となります。
さらに、面積を使って「面積あたりの密度」を比べると
世界:年間約140回 ÷ 1億3,009万km² ≒ 100万km²あたり年約1.08回
日本:年間約28回 ÷ 37万7,976km² ≒ 100万km²あたり年約74回
この比を取ると、74 ÷ 1.08 ≒ 約69倍です。つまり、同じ面積で比べると、日本では世界平均のおよそ70倍の密度でマグニチュード6以上の地震が起きている、という計算になります。
プレートは年に数センチずつ動き続け、地下の岩盤に「ひずみ」を溜めていきます。それが限界に達すると岩盤が一気にずれ、放出されたエネルギーが地震波となって伝わり、地震となります。
今回の岩手県沖の地震は、陸側と海側のプレートの境界で起きた「海溝型地震」でした。
気象庁は、揺れの強かった地域では地震後約1週間は同程度の揺れに注意するよう呼びかけました。実際、東北の三陸沖では昨年以降、比較的大きな地震が続いており、専門家は「今後も同じエリアで同規模の地震が起きる可能性がある」と指摘しています。一方、山梨県東部のような内陸の地震は、プレートに押された陸側の岩盤にある「活断層」が動いて起きるもので、こちらは私たちの生活圏の真下で起こるため「直下型地震」とも呼ばれます。日本には2000以上の活断層があるとされ、海溝型・内陸型の両方に警戒が必要です。
「最近、地震が増えた 更に大きな地震が来るのでは」と感じる方も多いと思います。地震活動には、周期的に活発になる時期があるという見解があります。過去の巨大地震の記録から、日本が地震の活動期に入っている可能性が指摘されています。南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった大規模地震への警戒記事などが増えたのは、こうした背景からです。ただし、ここで冷静に押さえておきたいことがあります。現在の科学では、「いつ・どこで」地震が起きるかをピンポイントで予知することはできません。分かっているのは、起こりやすい地域や、今後30年以内といった長期の発生確率です。
前兆現象で地震を直前に言い当てることはできない、というのが専門家の共通した見解です。
だからこそ、大切なのは「予知に頼ること」ではなく「いつ来ても大丈夫なように備えておくこと」です。この3か月の地震が示したように、揺れはどこでも起こりえます。
―家具の固定、非常用持ち出し袋の点検、水や食料の備蓄、家族との連絡・集合方法の確認——
こうした日ごろの備えが、自身や家族の命を守ります。
地震活動の活発な時期にある今だからこそ、ニュースで地震を目にしたこの機会に、ご自宅の備えを一つでも見直してみてください。備え方についてはリンクから備蓄・避難袋診断でご確認ください。
(本記事は、気象庁の発表や報道、地震・防災の専門機関の解説に基づいて構成しています。最新の地震情報は気象庁の発表をご確認ください。)