防災コラム #情報

☀️太陽フレア「Xクラス」がもたらす地球への影響と、最大規模フレアの脅威

2026/07/03

近年、「太陽フレア」という言葉をニュースで見かける機会が増えました。
 太陽フレアとは、太陽表面の黒点付近で起こる爆発現象のことです。その規模は放出されるX線の強さによってA・B・C・M・Xの5段階に分類され、一つ上のクラスに上がるごとに規模はおよそ10倍の強度になります。
最上位が「Xクラス」で、年に数回程度発生しています。
 では、Xクラスの太陽フレアが地球に到達すると、どのような影響があるのでしょうか。
まず知っておきたいのは、地上で暮らす私たちの体や、普段の携帯電話の通話には、基本的に影響がないという点です。太陽フレアで放出されるX線や高エネルギー粒子の多くは地球の大気に吸収されるため、地表の人体が被曝する心配はほとんどありません。
一方で、影響が出るのは主に「宇宙や電波に関わるインフラ」です。具体的には、GPSを用いた高精度な位置測定に誤差が生じたり、短波(HF)を使った長距離通信に障害が出たり、人工衛星の運用に支障が出たりします。実際、2017年9月のフレアでは、GPSの誤差が普段の3倍程度に拡大したことが報告されています。多くの場合、こうした影響は数時間から数日でおさまります。
 問題は、これがさらに大規模なフレアだった場合です。歴史を振り返ると、1859年に「キャリントン・イベント」と呼ばれる観測史上最大級の磁気嵐が発生しました。このときは、普段オーロラが見えないカリブ海沿岸などでもオーロラが観測されました。そして、欧米の送電網ではショートや火花、火災が起きたと記録されています。また1989年には、大規模なフレアによる磁気嵐でカナダ・ケベック州の電力網が甚大な被害を受け、約9時間、およそ600万人が停電やシステム障害などの影響を受けるインフラ災害が発生しました。
 なぜ大きな磁気嵐で停電が起こるのでしょうか。地球の磁場が急激に乱れると、長く伸びた送電網に「地磁気誘導電流(GIC)」と呼ばれる想定外の電流が流れ、変圧器を損傷させることがあるためです。日本は地理的に、北米や北欧に比べればこの影響を受けにくい位置にありますが、NICT(情報通信研究機構)の実測調査では、日本の電力網でも実際にGICが計測されています。キャリントン級の極端な磁気嵐が起きれば、日本も無関係ではいられません。
 こうした「最悪のシナリオ」については、総務省も検討会で報告書を発表し、その中で想定を公開しています。
 大規模な太陽フレアが発生した場合、「最長で2週間にわたる通信障害や広域停電、携帯電話がつながらなくなる事態、GPSに頼る機器の誤作動などが起こりうる」と報告されています。
太陽活動は約11年の周期で活発になり、近年はその極大期にあたるため、大規模フレアへの警戒が呼びかけられています。
 大切なのは、地震や台風と同じように「起こりうるものとして、あらかじめ備えておく」ことです。
 太陽フレアへの備えは、日ごろの防災対策と共通します。停電に備えてモバイルバッテリーや懐中電灯、乾電池を用意しておくこと。通信が乱れたときのために、家族との連絡・集合方法を決めておくこと。そして、正確な情報源を知っておくことです。宇宙天気については、NICTが「宇宙天気予報」を公式に発表しています。
誰でも確認できますので、日ごろの天気予報と同じように定期的に確認しておきましょう。
 太陽フレアは、私たちが宇宙とつながって暮らしていることを思い出させてくれる現象です。空を見上げつつ、ご自身やご家族の備えも一度見直してみてはいかがでしょうか。

現在 太陽X1.1フレアに伴う衝撃波が地球に向かってきています。地球の磁場に到達すると磁気嵐が発生する可能性が高く、その影響によりGPSの誤差やシステム障害、通信障害が生じる可能性があります。
銀行のATMが使えなくなる、キャッシュレス決済が使えなくなる、などが生じる可能性があります。
本日(2026・07・03)到達が予測されています。
実生活に影響が出る事象となる可能性があるため、くれぐれもご注意ください。